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第16回 忙しくパソコンボランティア

 2月10日甲府盆地は前日からの大雪で銀世界が広がっていた。そんな足元が悪い中、北新1丁目の県福祉プラザに障害者たちが集まり、パソコン操作習得に励んでいた。

 パソコンボランティアとして指導しているのは、数野さん。「母が倒れて看病のためにそれまで努めていた会社を退職。そのうち私自身が足腰を痛めて車椅子と杖の生活になりました。障害者の気持ちがよく分かり、何かお手伝いしたいと思っていたところ、パソコンならできると思い当たったのです」。

pasokon1.jpg まずはパソコンで点字の図書作りから始め、徐々に視覚障害者との交流が図られ、音声でワード、エクセルの操作ができるよう指導者としてのスキルを高めて いった。講習会に参加していろいろな障害者を対象にできるようになり、04年7月知事名でパソコンボランティアの認定を受けた。

 福祉プラザでは 毎月第二日曜日、聴覚、精神、身体などに障害を持つ大人から子どもまで10数人を指導する。ぬかるんだ日でもバスに乗ったり、歩いたりいつもと同じ方法で 来場した。「キーの位置を覚えてもらったり、キャとかピャというような難しい表現もありますが、私は決して無理強いすることはしません。そのつど参加者が やりたいことを指導します。体調も考えながらしないと疲れやすい人が多いですから」という。

 参加者の中には、スキルを高めて仕事に就こうと頑張っている人もいる。しかし「就労中休憩時間が必要だったりするので、なかなか雇ってもらえない。
精神障害に対しても一般の認識が古く、偏見に満ちているのが残念です。企業は門戸を開いて欲しいですね」と広く理解を求めている。

  数野さんはこのほか、県視覚障害者協会内にあるパソコンクラブに出向いて、画面の説明、取り扱い説明のお手伝いや、ライトハウスの青い鳥奉仕団で点訳、図 書作りに取り組む。個人的に「演歌歌いたいけど歌詞を点字にして欲しい」といった依頼も受ける。南アルプス市の知的障害者教室では、昨年みんなで年賀はが きを作った。県立図書館でもボランティアとして「山梨のお国自慢展」開催に携わった。富士山、ブドウ、桃といったポピュラーなもののほかに図書館にある資 料からいままで気付かなかった「自慢」を紹介し、好評だった。

 ご主人の協力もありがたい。講座の開かれる時、車で視覚障害者を甲府駅ま で迎えに行ってくれる。「最近は駅でも障害者に対していろいろ配慮してくれるようになりました」と、優しい社会への取り組みに手ごたえを感じている。スケ ジュール帳はボランティア活動でいっぱいだが「雪の中こんなに集まってくれています。お付き合いをして私のほうが勇気や元気をいただいています。
背筋が伸びるような高揚感があります」。数野さんと障害者は吸収し合って、与え合っている。


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